DXコンサルティングコラム ~ 業務効率化・業務自動化についての最新情報、用語、ノウハウなど ~

《注目》AI導入前に必要な「データ整備」とは?失敗しないための基本を解説

作成者: Admin|May 13, 2026 1:00:01 AM

「AIを導入したい」
そう考える企業は増えています。

しかし実際には、

  • データが散らばっている
  • Excel管理が属人化している
  • 欠損や表記ゆれが多い
  • どのデータを使えばいいかわからない

といった状態のままAI導入を進め、“思ったより使えない”という壁にぶつかるケースも少なくありません。

AIは、魔法の箱というより“データを材料に動くエンジン”です。
つまり、材料が整っていなければ、AIも十分に力を発揮できません。

今回は、AI導入前に見直したい「データ整備」の基本について、現場目線でわかりやすく解説します。

執筆:檜田詩菜(ひわだしいな)

BtoB領域を中心に、SEO記事・ホワイトペーパー・メールマーケティングなどのコンテンツ企画制作に従事。見込み顧客との接点づくりからナーチャリング設計まで、コンテンツを軸としたマーケ支援を行っている。

なぜAI導入で「データ整備」が重要なのか

AIは、与えられたデータをもとに分析・予測・自動化を行います。

つまり、

  • 情報が不足している
  • データ形式がバラバラ
  • 古い情報が混在している

といった状態では、AIの判断精度も不安定になります。

たとえば営業データでも、

顧客名 担当者
株式会社ABC 山田
(株)ABC 山田太郎
ABC Yamada

このように表記が統一されていないと、AIは“別の会社”として認識してしまう場合があります。

AIが苦手な“整っていないデータ”とは

AIは便利ですが、実はかなり“データに素直”です。
人間なら文脈で補完できることも、AIはそのまま受け取ります。

ここでは、AIが特に苦手とする“整っていないデータ”を、現場でよくある例とあわせて解説します。

① 表記ゆれデータ

AI活用で最も多い課題のひとつが「表記ゆれ」です。

たとえば同じ会社でも、

入力例
株式会社コクー
(株)コクー
コクー
cocoo
COCoo

人間なら「同じ会社だな」と判断できます。
でもAIは、“別データ”として認識することがあります。

② 欠損データ(空欄・未入力)

AIは、必要な情報が抜けている状態も苦手です。
たとえば営業管理データで、

会社名 業種 従業員数
A社 IT 300
B社    
C社 製造 50

このように空欄が多いと、

  • 正しい傾向分析
  • セグメント分類
  • AI予測

が不安定になります。

③ 重複データ

同じ情報が複数存在している状態です。

結果として、

  • 売上予測がズレる
  • 顧客数が膨らむ
  • 分析結果が偏る

といった問題につながります。

④ 古いデータが混在している

AIは“今”を学習したいのに、過去の古い情報が混ざっているケースも多くあります。

⑤ フォーマットが統一されていない

AIは「形式が揃っていること」が大好きです。

逆に、

  • 日付形式が混在
  • 金額にカンマあり/なし
  • 単位が違う
  • コード体系がバラバラ

などは苦手。

日付
2026/05/10
2026-05-10
5月10日
10-May-2026

⑥ 属人化されたExcel・スプレッドシート

現場で非常に多いのがこれです。

これは“人間依存の運用”になっている状態です。

⑦ データがバラバラに存在している

AI活用では、複数ツールのデータを横断するケースが増えます。

しかし実際は、

  • 営業 → Excel
  • マーケ → MAツール
  • 広告 → 管理画面
  • 売上 → 基幹システム

のように分散していることが多いです。

⑧ 更新ルールが存在しない

意外と見落とされがちなのが「運用ルール」。

たとえば、

  • 誰が入力するのか
  • いつ更新するのか
  • 未入力時はどうするのか

が決まっていないケース。

AIでデータを扱うときの注意事項|セキュリティ・情報漏洩リスク

 

AI活用が進む中で、便利さと同時に重要になるのが「データの扱い方」です。

便利だからこそ、“何を入れていいのか”を整理しておかないと、思わぬ情報漏洩につながる可能性もあります。
ここでは、AI活用時に気をつけたい代表的な注意点を解説します。

① 機密情報をそのままAIへ入力しない

最も重要なのがこれです。

AIサービスによっては、入力内容が学習に利用される可能性があります。

入れてはいけない例

  • 個人情報
  • マイナンバー
  • クレジットカード情報
  • 未公開の経営情報
  • 契約書原本
  • 顧客リスト
  • 人事評価情報

など。

② AIツールごとの利用規約を確認する

AIツールによって、

  • 学習利用の有無
  • データ保持期間
  • 保存場所
  • 管理者権限

が異なります。

特に企業利用では、

  • 法務
  • 情シス
  • セキュリティ部門

と連携しながら確認することが重要です。

確認ポイント

項目 確認内容
学習利用 入力データがAI学習に使われるか
保存期間 データがどれくらい保持されるか
権限管理 誰でも閲覧できる状態になっていないか
ログ管理 利用履歴が残るか
海外サーバー データ保存先はどこか

③ “誰でも使える状態”にしない

AIツールを導入すると、「とりあえず全社員使えるようにしよう」となることがあります。

しかし実際には、

  • 閲覧権限
  • 編集権限
  • アップロード権限

を分けることが重要です。

④ AIに渡す前に“匿名化”する

実務では、

  • 顧客名をID化
  • 個人名を削除
  • 金額を一部マスク

など、“匿名加工”してからAIへ渡す方法もよく使われます。

変換前 変換後
株式会社○○ Company_A
山田太郎 User_001

 ⑤ AIの回答を“正しい前提”で使わない

AIはもっともらしく答えます。
でも、間違えることもあります。

特にデータ分析では、

  • 集計ミス
  • 解釈違い
  • 古い情報
  • 存在しない数値

を出力する可能性があります。

これは「ハルシネーション」と呼ばれることもあります。

⑥ “野良AI利用”が増えやすい

最近かなり増えているのがこれです。
会社で正式導入されていないAIを、現場が個別利用するケース

便利だからこそ、現場主導で広がりやすいです。

ただし、

  • 情報漏洩
  • ガバナンス崩壊
  • データ管理不能

につながる可能性もあります。

⑦ AI時代ほど「データ管理ルール」が重要になる

AI導入が進むほど、

  • どこまでAIへ渡してよいか
  • 誰が管理するか
  • どう保存するか

を決める必要があります。

⑧ 特に注意したい「Excel運用」

実は、AI活用で一番事故が起きやすいのがExcel周辺です。

よくある例

  • 個人PC保存
  • メール添付運用
  • パスワードなし
  • 最新版不明
  • 誤送信

まとめ|AI活用では「便利さ」と「管理」の両立が必要

AIは非常に便利です。

しかし同時に、

  • 情報漏洩
  • 誤利用
  • ガバナンス不足
  • データ品質低下

などのリスクもあります。

AI時代は、“AIを入れること”よりも、「安全に活用し続けられる状態」を作ることが、ますます重要になっていきそうです。

AI活用の前に、“現場で使える状態”を整えませんか?

AI導入を進める企業が増える一方で、

  • データが散らばっている
  • Excel運用が属人化している
  • データ品質にばらつきがある
  • 現場で更新が続かない

といった“土台部分”の課題に悩むケースも少なくありません。

コクーでは、AI導入そのものだけでなく、
その前段階となる

  • データ整備
  • 業務整理
  • 運用設計
  • BI活用
  • 現場定着支援

まで含めた「現場伴走型DX支援」を行っています。

コクーのDXコンサル支援

「AIを入れたい」だけで終わらせず、

  • 現状整理
  • 業務可視化
  • データ整理
  • ツール選定
  • 現場運用設計

まで一緒に整理。

“導入して終わり”ではなく、現場で使われ続けるDXを重視しています。

 

データ女子|データ整備・BI活用を現場から支援

データ女子 では、

  • Excelデータ整理
  • データクレンジング
  • Power BI/Tableau/Looker Studio運用
  • レポート更新
  • ダッシュボード作成
  • データ入力・更新運用

など、実務に近い領域から支援しています。

 

AI時代だからこそ、“整える力”が重要になる

AIは、整ったデータがあってこそ力を発揮します。

だからこそ今後は、

  • データを集める
  • 整える
  • 更新し続ける
  • 現場で活かす

という“運用の土台”が、ますます重要になっていきます。

コクーでは、現場に寄り添いながら、「使われるDX」「続けられるデータ活用」を支援しています。